下村彰慶 オステオパシー人生のブログ|日本オステオパシープロフェッショナル協会

骨盤の違和感・・・?

2022年5月6日

 

4月に来院された患者さんの中で訴える症状の程度は大したことは無いと思えるものの、これまでには無かった症例で特に私の記憶に残っている症例を書くことにする。

 

その症例とは「右寛骨部の違和感」を訴えて来院された患者さんである。4月中に2例しかないが、「腰痛ではなく右骨盤の違和感」という自らの訴えで来院されたのはこれまでの臨床経験の中ではなかったことである。

 

一人は理学療法士でもう一人は地方公務員の方である。患者自らの正確な症状の表現は理学療法士の方は「尾骨の右が痛い」地方公務員の方は「右の骨盤が何か変な感じがする」である。結論を書けば「寛骨結合部の歪み」なのだが、正直なところ私の感想は「今頃か・・・」という感じだった。というのも、仙骨・寛骨も含めた骨盤がかなり歪んでいるのにどうして症状が出ないのだろうと長い間思っていたからだ。

 

寛骨というのは、腸骨・恥骨・座骨という3つの骨が1つに結合することで形成されている。

 

ところが、2年前~昨年にかけてここの結合部に歪みを生じるようになってきており、その歪みは少しずつ強くなってきている。それは痛みなどの症状があるかどうかは関係なくほぼ全ての人に起こっていることは感じており、知ってはいた。

 

しかし、なぜ症状を訴えないのか不思議には思っていたので、患者さんの訴えを聞いてすぐにピンときたのだ。

 

寛骨の結合部が歪むということは、寛骨の形もわずかづつではあっても変わってきているのだが、それがわかるにはそれなりに日々の触診の訓練をし、それなりに注意をしながら体を診てないと私でもわからないだろう・・・。

 

おそらくこれからはこういった症状を訴えてくる人は増加してくると思うが、残念ながらほとんどの臨床家にはわからないのではないか。そしてこれはレントゲンとかCT・MRIなどでもおそらくわからないだろう。

 

歪みは骨折・脱臼・形成不全等とは違い、目で見てわかるものではない。熟練された職人の手によって初めて感じられるものだ。特に直線状の形ではないものなら尚更である。

 

治療は寛骨の再統合を施すのだが、ほとんどの臨床家は一旦くっついた結合部が動くはずがない・・・と思っているだろう。なぜなら頭蓋骨と同じく一度くっついた所は「動かない」と学校で教えてもらっているからだ。骨折したところも同じように教えてもらっている。

 

しかしながら実際は違っており生きている間は結合部が動く。それは寛骨も同じだ。

その技術はJTOCで教えている。

 

2人の患者の内1人の患者は寛骨の再統合と心臓と横隔膜の治療をすることで症状は消失したが、もう1人の患者は寛骨の再統合だけでは不十分で最終的には中脳の神経核までを治療しないと症状を消失させることは出来なかった。

 

ただ今回の経験を通して言えることは、患者さんが寛骨の違和感を訴えて来院されるようになった時は、症状に比べて原因はかなりわかりづらく身体の容態はかなり悪い状態で来院されてくることになると思う。

 

もちろん治療も難しい。大変な時代になったものだ。

 

おしまい。