下村彰慶 オステオパシー人生のブログ|日本オステオパシープロフェッショナル協会

長崎より来院された7歳の男児の症例報告

2023年9月7日

 

数日前に理学療法士のお母さんよりOsteopathy Firstに「7歳の息子に動悸と嚥下障害があり、病院へ行っても原因不明・・・。脈拍は200回/分」と連絡があった。

 

食事がほとんど出来なくなっており、ご飯を口に入れて50回以上噛んでやっと少しずつ飲み込める状態。元々大好きだった飲むゼリーやグミも食べられなくなっている。就寝時の呼吸による胸郭の動きがとても小さい。不安感があるのか母親にべったり(母親からの報告)。その他もあるがこれ以上は省略させてもらう。

 

半年前に1度診たことがあったので、大体の状況は電話だけでも理解出来た。そして依頼を受けるか受けないかを迷った。その理由はこちら側の理由だけで2つあった。

 

1つは予約枠が全く空いていない事。もう1つは受けたとしてもとてつもない治療時間が必要であると言う事がわかっていたからだ・・・。

 

症状は一見軽そうには見えるが、実際はえげつない問題が隠れているというのがわかる。受けるとすれば私の休日を利用するしかない・・・ということで受けるのは受けたのだが・・・

 

木曜日の16時に来院され、純也と一緒に診たのだが全ての関節はカチカチで胸郭は異常に締まっており、膀胱なども締め上げられていたので「排尿障害は無いか?」と母親に尋ねると「おしっこの量が少ない」とのこと。

 

動悸も激しく、橈骨動脈で脈がとれない。まぁ予想はしていたが私が考えていたよりもかなりの問題が蓄積されていた。

 

治療は強力な排毒とエモーショナル(肝・心・膀胱)のみで6時間半かかり、終わったのが夜の22時半だった。

 

関節も正常では無いにしろ、まずまず動くようになりおしっこの出方も普通になった。脈もとれるようになり動悸も消失。嚥下障害も消失するまでにはして、嚥下障害が消失したかを確認するためにグミを食べさせようとしたのだが、男の子はこれまでの恐怖から「飲み込むのが怖い・・・」と言って飲み込もうとしないのでグミを食べさせるチェックは中止にした。

 

ただコップに入れた水を飲ませると7歳の子供が「飲みやすい」と言ったことで母親と子供も今まで水が普通に飲めていなかったことにやっと気付いた。

嚥下障害はまだ完全ではないので、いつまで持つかの不安は私自身にもまだ残っているが、かなり改善されているはずだ。

 

ただ問題なのは、こういった症状の患者さんがこれからは急増してくると思う。

 

おしまい。